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福祉事業部の活動について
障害者福祉
自立とは何か
「自立」の対義語はなにか、考えてみてください。
辞書を開くと、「依存」ということばがあげられています。
「自立」に比べ、「依存」とはマイナスなイメージを抱く方が多いのではないでしょうか。
「私は何にも依存していない」という人は、本当に何にも依存していないのでしょうか
「私は何にも依存していない」という人の日常生活を覗いてみると、職場、地域、家族、友人、趣味、娯楽、テレビ、自動車、スマートフォン、公園、病院、美容室、スーパー、コンビニエンスストアなど、複数の人・物・場所などに、いくつも関わっています。
バランスよく関わることで、「依存」ということばとは少しニュアンスが変わり、大切なパイプ(頼れる先)になります。自転車のスポークのように細かなパイプ(頼れる先)をもっている人にとっては、それが「依存」していないと錯覚するくらい自然なことなのです。
パイプ(頼れる先)の選択肢を増やしていく方法はあるのでしょうか
パイプ(頼れる先)の選択肢を増やしていく方法――それは、人間関係に対応できるコミュニケーション能力です。
たとえば、子どもが、地域社会との対話が苦手だとします。地域社会と交流ができないとした場合、その子どもにとっては、自分と繋がるパイプ(頼れる先)は親だけになってしまう可能性があります。当然のことながら、子どもか親のどちらかが、他への助けを求めない限り、地域から見過ごされた状態となるでしょう。
これは親と子どもに限ったことありません。支援者と当事者との関係も同様と言えます。親も支援者も、子どもや当事者に愛情や善意をもって、関わっていくことは大事です。しかし子どもや当事者は、1本の太いパイプ(頼れる先)だけでは、このパイプ(頼れる先)が切れてしまった瞬間、途方に暮れ、絶望し、生きて行けなくなるでしょう。
障害者と支援者の心の健康
モノは豊かになっても「心は満たされない」「自分は何のために生きているのだろう」と誰しも一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
しかしこれといった答えは見つからず、ただただ時間だけが進んでいきます。わけもなくイライラしたり、身体が疲れたり、心が疲れたりしても、その苦痛が癒されないまま、日常の忙しさに飲み込まれてしまっています。
ところが、この現代社会で、なぜか楽しそうに生きている人がいます。よく観察すると、その人たちには利害や立場、しがらみを超えて“本音で話せる人間関係”があることに気づきます。“本音で話せる人間関係”の存在が、驚くほど人を元気にしていくのです。
あなたには“本音で話せる人間関係”が存在しますか
人とつながる力、仲間をつくる力、それはコミュニケーション能力です。現代人は「コミュニケーションとは何か」ということを、ふだん意識せずに生活していて、本来持っているはずの能力は眠ってしまっています。
そして、立場やしがらみだけの人間関係の中で疲れ果て、孤独感に蝕まれていきながら日々を過ごしています。特に障害を持った方々にとっては、核家族や一人住まいの生活が広がっている社会の中では生きにくい時代です。
国や行政、民間の支援団体など多岐にわたる法律の制定や改正、福祉サービスの支援や援助を行っています。これは一見充足された福祉社会に見えます。
しかし、その環境の中で生きている当事者をはじめご家族、行政の担当職員、医療の関係者、民間の福祉団体職員などは、自身の生活や仕事に追われながら、少しずつ心に負担を感じてしまいます。そこで、単なる物的・金銭的な福祉サービスだけではなく、障害者と支援者双方の、心の健康・保持、増進、予防の考え方が大切になるのです。
誰一人排除しない
平等な人間関係
支援を受けている当事者は障害や体調の心配とは別に、親亡きあとの心配、歳を重ねていくことで生じる老後への心配、無意識の中での疾病利得への葛藤など日々の生活の中で地域から見捨てられてしまうかもしれない不安と孤独を感じています。
また支援する側は、いつの間にか〝してあげる支援〟があたりまえになり、当事者が自分の思う通りにならないことに苦悩し、疲弊していることに気づかないでいます。それらは「支援する側、される側」という垣根が日常的に存在するからです。
人間は、自分の思い通りにならないことに耐えるのは、苦手です。これは、障害者も、家族・支援者すべてに言えることです。
これを解決するには、親と子・家族、病院関係者と患者、行政職員と当事者、福祉施設職員と利用者などの垣根を取り除いて、上下関係のない、「誰一人排除しない」平等なコミュニケーションをすることができ「人と人、心と心をつなぐ」環境作りが重要なのです。
ふれあい囲碁の
自立訓練としての効果
ふれあい囲碁をプログラムとして継続していくと、知らず知らずのうちに、心の中にある社会性をはぐくむ土壌が耕されます。
そしていつしか心の中に「気づく」という発見の芽が出現します。ふれあい囲碁を行うと、参加している人も観ている人も、いつの間にか無意識にゲームに集中します。ここにも誰一人排除されない理由があるのです。
日々の生活の中で過去のトラウマや、葛藤している思考や、あわただしい悩み多き日常の環境から解放され、リラックスした世界に入ります。そこには小さなコミュニティーができ、誰もが仲間に囲まれ、安心できる小さな空間に身を置くことができます。
これがふれあい囲碁の持つ独特の効果の一つ「無意識の休息」です。このコミュニケーション・トレーニングを担うのが「ふれあい囲碁」の本質です。
コンサルティング業務
(施設での実践、職員への講習・研修・相談・助言)
福祉にたずさわる関係者に「ふれあい囲碁の実践技術」だけではなく、「質の高いサービスを提供し、かつ通所者を増やし安定し経営を続けられる事業所」を目指している方や、あるいは障害者支援事業者を導く立場にある行政の担当者などを対象にお伺いして、総合的にサポートします。
また、特別支援学校(各種障害に対応)、フリースクールにもお伺いします。
・精神障害・高次脳機能障害
・自閉症スペクトラム障害(自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害)
・知的障害
・脳性まひによる障害・難治性疾患障害
・視覚障害・聴覚障害 等
出張サービス
01
施設、会議、研修会での実践
施設等の活動プログラムや余暇活動として、「ふれあい囲碁」を利用者、家族・職員を対象に直接行います。
02
福祉関係職員への実践講習
「ふれあい囲碁」を単独で行いたい施設、福祉関係の職員でプログラムの手法として取り入れたい方へ、ふれあい囲碁の実践方法を伝授します。
03
職員研修
「ふれあい囲碁」を通して、福祉職としての非言語傾聴の考え方を学びます。